筑波大がマレーシアに分校を開校
筑波大が、マレーシアで日本の大学初となる海外分校を2020年9月に開設します。マレーシア人学生向けに、文系と理系の基礎的な教養を身につける「リベラルアーツ学部」を設置、日本語中心で授業を行い、英語のサポートもする予定です。マレーシアのトップ大学であるマラヤ大学内にキャンパスを構えます。
前回の首相時に日本から学ぶ「ルック・イースト」を唱えていたマハティール現首相は、昨年の11月に筑波大を訪問し、筑波大の名誉博士号を受けた際に、分校設置を依頼しました。筑波大は、マレーシア工科大学と組み、環境科学などで両校の連名による修士号を取得できる「国際共同学位プログラム」を開始していることもあり、今回のマレーシア分校開校に結びつきました。
他には、イギリスのノッテンダム大学とニューカッスル大学医学部、オーストラリアの名門モナッシュ大学などがマレーシアに分校を作っています。
世界の海外大学の分校の数は、2000年には84校でしたが、2016年には200校以上に急増しました。中国(32校)、アラブ首長国連邦(31校)、シンガポール(12校)、マレーシア( 12校)カタール(11校)、韓国(3校)に多く開校され、米国大学(78校)および英国(39校)からの分校誘致が多くなっています。
2015年には、海外から合計18万人の学生がこれらの分校に通いました。成功例では、ノッティンガム大学の2000年にマレーシアに分校を、2004年に中国に分校を開校しました。現在は、中国校には約8,000人、マレーシアに5,000人の学生がいます。
イギリスの大学の海外進出の背景には、イギリス国内の生徒数の減少があります。もし今後ブレグジットが行われた場合、EU諸国からの授業料が上がり、EU諸国からの生徒が減るだろうとの見込みから海外に活路を見出しているようです。一方で、海外校の特色を生かしながら、いかに自国のカリキュラムの質を保つかという問題については、学校側でも様々な対策が検討されているようです。
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