Green Camp – グリーンスクール

以前に娘がGreen schoolの提供するグリーンキャンプと呼ばれるサマーキャンプに参加した時の様子です。グリーンキャンプの記事はこちらをご覧ください。

バリ島の学校も世界最先端を行く

グリーンスクールの1週間のプログラムは、ヤシの木のぼりや自分たちで作ったボートでの川下り、ヤシの木の葉っぱを使ったバリ島の伝統工芸品の作成や泥んこ遊び、さらにはカカオ豆からのチョコレートづくりなど、自然環境を存分に味わえる多彩な内容となっています。

参加した子供たちは全員口を揃えて楽しかったと感想を述べていました。プログラムに参加させた狙い通りに、シンガポールでは中々体験できない自然の中での経験を存分に積むことができたようです。うちの子は来年の夏休みにはもっと長い期間グリーンスクールでのプログラムに参加したいと話していました。ティーンになれば子供だけでスクール内に泊まりながら数週間参加するプログラムも用意されています。

グリーンスクールはジョン/シンシア・ハーディ夫妻により2008年に設立されました。ハーディ夫妻はインドネシアに30年以上暮らしていて、ローカルの素材を用いたジュエリーブランドで財をなしました。欧米社会では実現が難しいサステーナブルなコミュニティをバリ島であれば実現できるということで、まずはエコ意識を高める為の学校を設立しました。設立当初は80人ほどの生徒しかいませんでしたが、今では400人にまで拡大しています。

ここまで徹底したエコ教育を行っている学校は世界でもあまり類を見ないので、東南アジアを中心として広く世界から生徒が集まっています。ただ、意識の高い外国人だけに教育をしていてもサステーナブルなコミュニティづくりは不可能ということで、放課後には200人ほどのローカルの生徒を集めての英語やエコ教育のプログラムも展開しています。グリーンスクールを訪れて感じたのは、通常のインターと違って、こうしたローカルプログラムの提供やスタッフにも多くのローカルを登用することで、現地のコミュニティにうまく溶け込んでいることです。

ちなみに、グリーンスクールの創設者のジョン・ハーディ氏がシンガポールで講演したときの内容がまとめられた記事を読みましたが、彼にとってシンガポールはサステイナビリティのかけらもない、忌避すべき対象のようです。確かに、私たちもシンガポールからグリーンスクールを訪れて根底にある思想は真逆だと感じました。

そして、グリーンスクールが凄いところはこうした運営サイドや教師陣だけでなく、生徒からも次々とエコ意識に根差した発想が出てきて、さらにそれが現実の物となっていることです。スクールバスは生徒からの発案で、環境へのダメージが少ないバイオエタノールや食用油で動くエンジンが採用されていますし、プラスチックごみを減らすための生徒の活動は大きな成果を上げてTEDのプレゼンでも取り上げられました。

素晴らしい自然環境の中で、高いエコ意識が運営サイドはもちろん、生徒にまでいきわたっているグリーンスクールへの注目度は今後ますます高まっていきそうです。