新しい学びの方法
従来型の教育にはないPBL(課題解決型学習)や探究学習という学び方が注目されています。
2020年から施行された新学習指導要領で提唱されている「主体的・対話的で深い学び」は、実社会で活躍できる人材育成を目指しており、これらの学び方を取り入れる日本の学校も少しずつですが増えてきました。
探究学習とPBL(課題解決型学習)は似ている学習方法ですが、生徒から発した問いに取り組む探究学習に対して、社会や人のために解決策を考え、社会に価値を提案するのがPBL(課題解決型学習)です。
米国の私立校では探究的な学びを幅広く取り入れているところも多く、一人一人が関心を持つテーマの活動に関わることができる環境が備わっています。サンフランシスコの有名私立校のヌエバスクールでは、昔から地域と連携してプロジェクトベースの学習が行われていました。
早くからIB教育を始めたイギリスの名門校でも、ボランティアと慈善活動が盛んで、実践的なプロジェクトに取り組むことができます。PBLや探究学習から学びへの関心が引き出されて、結果として学力も向上するということが多くの調査で得られています。リーダー育成や人格形成のためにもつながるだけでなく、結果的にこれらの私立校での進学実績も良いです。
PBLの例は、竹村 詠美さんの新・エリート教育 混沌を生き抜くためにつかみたい力とは? (日本語) に詳しく載っておりますのご覧ください。
日本でも探究学習を行う塾やイベントが増えてきて、探究学舎、エイスクール、探究クエストなどが授業を提供しています。オンラインの授業に参加して、問題に取り組んだり、子供たちがチャットを使って議論をしたり、オフラインで制作したものをオンラインでみんなに公開したりと、コロナでリモート学習が急速に進んで、オンライン利点を生かして双方向でコミュニケーションするような授業形式が確立されました。
探究学習やPBLに興味があるという方は、まずはこういった塾が提供するイベントや授業に参加するのが手取り早いです。自分の子供がどのような分野が好きか、授業後にその分野について自主的に調べるようになればあとは放っておいても自分で勉強していくでしょう。
企業や政府が企画しているプロジェクトラーニングのイベントに参加してみるのも良いでしょう。中学生、高校生向けの企画が多いですが、今娘が参加しているのは、墨田区が募集した小学生向けオンラインイベントで、3名でチームを組んで、墨田区のある企業の面白さが伝わるような動画を創っています。
第一回目はアイスブレークで自己紹介をしました。墨田区の担当者がこのイベントの意義や目指していることについて話をしてくれて、スタッフが各チームに一人ついてくれて、絵コンテを書いたりとアイデアを出してがんばって取り組んでいます。唯一の海外からの参加者として紹介してもらって嬉しかった、良い動画ができるといいなと張り切っています。
自分でテーマを探してプロジェクトを進めたいという子なら、VIVITAのようなアクセラレータープログラムを提供しているところに参加したり、ファブスペースに通ってみるのがいいと思います。周りの子が取り組んでいることを覗いたり、ワークショップに参加することで、自分がやりたいことが見つかるかもしれません。
私もリモートワークで自宅にいることが多いとはいえ、仕事をしながら子供からの質問ややりたいことに全て対応することは難しく、子供のやりたいことに併走しながら、プロジェクトを前に進めてくれるVIVITAシンガポールのスタッフの存在は有難いです。VIVITAではオンライン、オフライン混合してプロジェクトを進める環境が用意されていますか、こういった施設や学校は今度増えてくると思います。
中学、高校生や自分でプロジェクトを進めることができる子でしたら、大学の研究室で学ばせてもらったり、企業と組んで研究をしたり、クラウドファンディングで資金を集めて取り組んでみるのも良いでしょう。課外活動に取り組んだことは、入学試験の際に米国の大学は評価してくれますし、米国の大手企業も課外活動でプロジェクトに参加することを奨励しています。
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