なぜシンガポールでコロナウィルスの差別行動がないのか

コロナウィルスを発端として、アジア人ということで海外で差別的な扱いを受ける日本人の話をフェイスブックやTwitterで見聞きします。

上の子の学校では、旧正月のお休みが明ける前に政府からの要請を受け、中国に帰省した生徒が14日間の自宅待機になりました。娘のクラスにも自宅待機になった子がいますが、学校で使っているオンラインのメッセージを使って、クラスメートが勉強や宿題のフォローをしていて、何事もなくまた学校に通学することを周りも楽しみにしてます。

シンガポールは多国籍の人が暮らしていて、国の4割が外国人で、両親の国籍が違う家族も多くいます。シンガポールの刑法では、異なる宗教や人種への差別発言を禁止していて、もし破った場合は、最大3年の懲役もしくは/かつ罰金です。

また、シンガポールでは、コロナウィルス保有している可能性がある人を政府がきちんと隔離する方針を打ち出し実行しました。2003年シンガポール国内で数十人の死者を出したサーズ(SARS)の時の教訓を生かして政府が体制や機械を整備したからこそ、迅速なコロナウィルス対策ができたと言われています。

2週間以内に中国への渡航歴がある旅行者の入国を止め(シンガポール在住の場合は14日間の自宅待機)、仮にそこで漏れてしまったとしてもシンガポール内でビルに入館する際には必ず体温を測り、直近の旅行国を申告、ID(身分証明書)の確認が行われるなど水際対策が徹底しています。

シンガポールらしくQRコードでサイトアドレスを読み込み、名前、渡航歴、熱の有無や体調を入力して下記のOKマークを受付で見せないとビルに入館できません。新しくビルに入館する際に毎回記入しないといけないので大変です。リゾートエリアでは通行者の体温を自動で測る機械を設置しています。

明るい北朝鮮と揶揄されることもあるシンガポールですが、コロナウィルスに関する正しい知識をみんなに啓蒙し、フェイク情報に踊らされることなくみんなが行動していることで、コロナウィルスを発端とした差別が見られないのだと思います。今回のシンガポールの対応は世界も学ぶべきところがあると思いました。