若手富裕層の教育トレンド
私たちはシンガポールで富裕層向けにファミリーオフィスと呼ばれるサービスを行なっています。資産運用から子供の教育までご相談をいただきますが、今回の日本滞在で、いわゆる日本の若手富裕層の教育トレンドを教えてもらいました。
軽井沢風越学園(+軽井沢の別荘)、神石インターナショナルスクールが人気で、ハロウ校は日本人枠が少なく入学が厳しくて選択肢から外す人が多いこと、東京からアクセスが良い千葉に開校するラグビースクールがあまり知られていないことなど興味深かったです。
正直、神石インターナショナルスクールやハロウ校の学費を考えると、海外ボーディングスクールも視野に入るのではないかと思いましたが、海外に子供を送るとなると保護者の英語でのサポートが必要になってくる点でハードルが上がり断念している家族も多いとのことでした。私の周りには長期留学している子が多いので意外でした。
シンガポール移住は引き続き関心が高く、シンガポールのインターナショナルスクールの環境を聞かれることも多いです。一方で夫婦で働いていると完全移住はなかなか厳しく、サマーキャンプなど短期留学が人気です。
娘は小学6年生からイギリスのボーディングスクールに通っていますが、下記は知人や友達と食事をすると私たちがよく聞かれる質問です。
- 小学6年生でイギリスの新しい学校に転校するのは子供は嫌がらなかった?
小さい頃から英語でイギリスのカリキュラムで学んでいたので、今の学校に通うことでの学力の不安はそれほどなかったと思います。また初めの数ヶ月は私たちもロンドンに滞在して頻繁に会っていたのでスムーズに学校生活に馴染めたと思います。
- 初めての寮生活は問題なかったでしょうか?
娘の通っているボーディングスクールは約400年の歴史があり寮母さんのケアがとても手厚いです。土日はアクティビティが多く組まれていて、心のケアには細心の注意を払ってくれていました。寮生活は友達や先輩の距離が近くて、勉強についてアドバイスもらえるのは本当に良かったです。初日は親と離れるのが不安で泣いてしまいましたが、その後は定期的に電話がかかってくるぐらいで、今では一人で飛行機に乗って帰ってきます。
- 親が子供と離れるのは寂しくなかった?
小学6年生から寮に住んでいると話すとそんなに早くから子供と離れるのは寂しいと話される親御さんも多いです。我が家も初めての寮生活でしたが、もし寮生活が合わなかったらシンガポールには良いインターナショナルスクールが沢山あるのでいつでも戻ってきてもらって構わないと思っていましたので、そこまで寂しいと思わなかったです。
- インターナショナルスクールの勉強だけだと学力がつく?
アジアのインターナショナルスクールは日本人、韓国人、中国人などが底上げしていて算数のレベルは比較的高めでしたが、それでも日本の中学受験組には物足りないと思います。イギリスの私立校では6段階にレベルが分かれていて、一番上のクラスは1、2年は先取りしていてレベルはかなり高いです。またイギリスの私立校では語学に力を入れていて、英語に加え、フランス語、ラテン語にもかなりの時間を使っています。
予算、親の仕事場所、英語力などなんらかの制約がある中での皆さん学校選びをしていて、私たちはそういった制約の中からその子の勝ち筋を考えるのが仕事です。周りのお子さんが通っているからといった理由で判断しない、海外留学であれば成功した子供に勝ち方を聞くのが一番いい方法だと思います。
日本でも海外留学イベントが増えてきましたが、日本の保護者は自分の子供を中心に質問しがちなので、相手の子に興味を持って聞いたり質問するだけでもその子から良い答えを引き出せ、自分の子供の教育方針に活かせると思います。
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