ニューヨークのモルガンライブラリー

先月、ニューヨーク市指定歴史建造物であるモルガンライブラリー ( Morgan Library & Museum ) に行きました。ジョン・モルガンは美術品のほとんどをメトロポリタンミュージーアムに遺贈したので、この記事で紹介したフリック・コレクションと違い、彼の残した美術品はここにはほとんどありませんでしたが、実際に住んでいた重厚な邸宅を楽しむことができます。

ジョン・モルガンは、イギリスの名門パブリックスクールであるザ・ナインの一校、マーチャントテイラーズに通います。その後、スイスでフランス語とドイツ語を学び、これらの生活で芸術の基礎知識をつけました。父の経営する銀行のロンドン支店で働き始めますが、父の事業を米国内で拡大するため、翌年からニューヨークに渡ります。

JPモルガンの前身となる会社をフィラデルフィアの銀行家アンソニー・ジョセフ・ドレクセルと共同設立し、アンソニーの死後、J.P. モルガン&カンパニーと名前を変えます。

J.P. モルガン&カンパニーは、政府や鉄道業界への金融業を拡大します。ゼネラル・エレクトリックの設立時に出資し、豊富な資金力を活かしてカーネギーから鉄鋼会社を買収、USスチールを設立します。食品、石油など他業種の会社も傘下におさめ、アメリカの5大財閥の1つとして知られる「モルガン財閥」を築きました。

ジョン・モルガンは親子共に慈善事業を積極的に行いました。メトロポリタン美術館の設立に深く関わり、館長を務めた時期もありました。アメリカ自然史博物館やハーバードメディカルスクールの支援も行いました。

さて、ジョン・モルガンは1837年生まれ、人類史上最大の富豪と言われるロックフェラーは1839年生まれです。ロックフェラービルもニューヨークで人気の観光名所となっています。

以前、年末特番で映像の世紀プレミアム 第5集「グレートファミリー 巨大財閥の100年」を見ましたが、彼らが生きていた頃の様子が映像として残っていて、同じ時代の日本とは比較にならないほど豊かな様子に驚愕しました。

モルガンライブラリーの内装。圧巻の本棚です