インターナショナルスクールの自宅学習 – 後編

我が家にはシンガポールでインターナショナルスクールに入学して数ヶ月が経った5歳の息子と、イギリスのボーディングスクールに通う娘がいます。後編では今息子が取り組んでいる多読と単語の暗記について紹介します。

このブログは、4歳〜7歳でインターナショナルスクール(インター)やプリスクールで英語を学んでいる子がおり、インターでの英語のフォローをどうしたら良いか悩んでいる保護者に読んでいただきたいです。是非、前編のアルファベットとフォニックスについて終えてから取り組みください。

この後編では下記の3つについて紹介します。
Oxford Reading Treeを使った多読
Raz-Kidsを使った本の読み上げ
学年相当のサイトワーズの暗記

息子とこの英語の勉強を始めたきっかけはイギリス系のインターの入学試験で、息子が本を読むことが出来なかったからです。そこから慌ててフォニックスの勉強を始め、CVCワードを読めるようにして、Oxford Reading TreeのLevel1の本を親が読み聞かせをしました。

Oxford Reading Treeはイギリスの学校で教科書がわりに使われるところが多く、シンガポールのインターでも採用しているところが本当に多いです。

我が家には娘の時に購入した3〜12歳までの1000冊近い英語の本があります。Oxford Reading Tree以外のチャプターブックも沢山持っているのですが、CVCワードを覚えたての子供が読み易いのはOxford Reading Treeだと思います。Oxford Reading Treeのレベル1~6は下記になります。


息子のIB系のインターの音読の宿題が始まり持って帰ってきたのがOxford Reading Treeの本だったので、息子が自分で読むのに切り替えました。学校では1週間に2冊程度のペースで読んでいましたが、娘の時の経験から毎日取り組んだ方が良いと思い、Oxford Reading Treeのシリーズを買い足しました。

インターでは、英語の時間に先生やアシスタントティーチャーとその子のレベルに合った本を読みます。その際にうまく読めた、この音が読めなかったなど先生がノートに記載してくれます。毎週の宿題として同じ本とノートを自宅に持ち帰り、子供が読んで親がノートにコメントをして返します。

Oxford Reading Treeの本のレベルが上がってくると読めない単語が出てきたので、Raz-Kidsの自動読み上げ機能を使って本を読んだり、Year1のサイトワーズの暗記をしました。すると数週間後には読めなかった本が読めるようになってきました。

Oxford Reading Treeをどのレベルから始めるかは、Year groupやAgeを見て判断しましょう。2〜3単語以外は自分で読めるのが適切なレベルだと思います。

英語を習い始めでしたらLevel1から読んでいくといいと思います。Level5ぐらいから幼児が一人で読むには難しくなると思います。息子は今Level2、3を読んでいます。

この年齢の目安はイギリスの子供、ネイティブ向けだと思います。初めは対象年齢が自分の年齢より下の本から読むことも多いと思いますが、インターで数年過ごせば、対象年齢の本が読めるようになるので、気にしないで自分のレベルに合った本を選びましょう。

娘はYear1〜3の時にOxford Reading Treeのシリーズが大好きで、他にも世界の童話やシェークスピア、ロアルド•ダールシリーズなど沢山読みました。今、イギリスのボーディングスクールでトップセットなのもこの時の本読みのおかげだと思います。日本語と英語を学んでいるとどうしても英語の学びがゆっくりになりがちですが、数を読むことでカバーするのが一番近道だと思います。

また子供のやる気を引き出すため、自宅の壁に模造紙を貼り、本を読んだ数だけシールを貼りました。娘の時も同じ方法で沢山の本を読みました。何冊読んだらご褒美をもらえるなど作っても良いかもしれません。

Oxford Reading Treeはとても良い本だと思いますが、日本から購入するのが難しいのが難点です。Oxford Reading Treeのアプリ(英国のみ)やウェブサイトでも読めるのですが、本の数も少なく評判が良くありません。その場合はRaz-kizsなどipadのアプリで本を読むのがいいでしょう。

以前娘の学校ではRaz-kizsを使用していて、シンガポールではRaz-kizsを使うインターが多いと感じます。息子の学校ではRaz-kizsの案内はなかったので、オンラインで見つけたグループに入って使用しています。

Raz-kizsはipadの有料のアプリですが、本読みに特化したシンプルで分かりやすいこと、年齢と本のレベルが適切であること、読み上げ機能の速度が変えられる点が気に入っています。息子は読む上げ機能、真ん中のスピードにしています。Raz-kizsはアメリカの会社なので、Grade2はイギリスのYear3にあたります。今、息子がYear1でCレベルを読んでいます。

Raz-kizsと同じような多読アプリで読み上げ機能があるのは、ABC reading eggs やEpic!があります。好きなアプリを選ぶと良いと思います。どのアプリも無料トライアルができます。こういったアプリは外出先や旅行先でも取り組めるのがいいです。

毎日15分ほどの勉強ですが、一日に2〜3冊、Oxford Reading TreeかRaz-kizsを読んでいます。1日短い時間でも毎日取り組むことで数ヶ月で英語の本が読めるようになりました。

息子がYear2〜3になり親のサポートなしに自分で本を読めるようになると、インターのフォローもほとんど不要になるのでそれまで頑張りましょう!

続いてはサイトワードの単語の練習です。シンガポールのイギリス系のインターナショナルスクールでは毎週単語のテストがあります。毎日決められた単語を書いて、週に1回テストをするのですが、息子のインターナショナルスクールではこの単語テストがありませんでした。そこで娘の時を思い出しながら単語の練習をしたところリーディング、ライティング共に効果がありました。

サイトワードは目にしただけで理解できなくてはいけない重要単語で、頻出単語という意味もあり、英語圏で生活するうえで当然、知っていなければいけない単語のことです。我が家のように両親日本人で、普段から英語の本読みをしていないと読めない、書けない単語が多いです。息子にはサイトワードのフォローを全くしておらず、学校の面談で指摘されてやり始めました。

米系、英系色々なサイトワードリストがあるのですが、我が家で英系のこちらを使いました。サイトワードはCommon exception wordsとも言います。Year1が5〜6歳、Year2が6歳〜7歳です。お子さんの年齢相当のサイトワードは時間をかけてでも読み書きができるようにしましょう。

まずは読めるようにします。壁に貼って大人が指をさして子供に読んでもらう、本を読む中でサイトワードが読めるかチェックしましょう。

続いて書きの練習ですが、どんなやり方でやっても良いと思いますが、イギリス系のインターナショナルスクールで行っているやり方は、1. 単語を読む 2.単語を見ながら書く、2.単語を隠して書く 3. その単語を使って文章を書くです。4.単語を親が読み上げ子供書き取りをする(ディクテーション)は学校の単語テストで行っているので自宅学習する人はやると良いでしょう。

インターでは1週間に5〜7つほど単語の宿題が出ます。月〜木曜日に一回ずつ書きます。金曜日に学校で単語のテストといった感じに行います。息子の時に自宅学習で取り組んだ時は簡単な単語(a、is、to)はすでに覚えていたので繰り返し書かずに次に進みました。common exception wordsのワークシートはオンラインに無料のものが沢山ありますし、単語リストをノートに書いて取り組んでもいいと思います。

下の画像はイギリスで行っているサイトワード(Year2)のアクティビティの一例ですが、1.Look and Sayで読みます。2. Look, say and writeで書きます。3. Cover and writeで一番左を隠して書きます。4. Check and write againでもう一度書きます。難しくなってくると3回書いただけでは覚えないと思うので、ノートに書いたり、日をあけて取り組むのが良いでしょう。

またイギリス系のインターでは、単語練習と合わせて「練習した単語のいくつかを使って文章を作ってみよう」という宿題が出ますが、面倒くさがらないでやることが単語の記憶定着とライティングの強化につながります。最近は前編で紹介したJolly Phonics のPupil book1(初めてのジョリーフォニックス1 スチューデントブック)でクリエイティブライティングといって絵を見ながら文章を書くことを練習していますがそこへも繋がります。

単語練習は長時間やると飽きるので、我が家ではYear1の単語リストを集中して書いた後、本を読んだり、文章を書いたりする中でその単語の復習しています。Year2のサイトワードを先取りするのはちょっとまだ早そうなので(Year2からレベルがグッと上がる)やっていません。

参考までに娘のイギリス系のインターではサイトワード以外にも沢山の単語の宿題がありました。さらに単語の勉強をしたいという方は、Year1〜6までのSpellingについてイギリスの政府からカリキュラムが出ているので、この辺りを参考に学ばれると良いでしょう。https://dera.ioe.ac.uk/18288/1/English_Appendix_1_-_Spelling.pdf

今回は3つについて紹介しました。

  • Oxford Reading Treeを使った多読
  • Raz-Kidsを使った本の読み上げ
  • 学年相当のサイトワーズの暗記

5歳の息子は、あと1〜2年は英語のフォローが必要だと思います。並行して日本語の勉強も毎日少しずつやると思いますが、Year3〜4からは自宅学習を中心とした日本語の勉強の方が大変になってくると思うので、英語についてはネイティブの学年相当を目標に毎日続けたいと思います。

参考ブログ

インターナショナルスクールの自宅学習 – 前編
シンガポール 5歳児のバイリンガル育児
我が家のバイリンガル教育 12歳と4歳
2022年IBの結果 シンガポールのインターナショナルスクール
日本のサマースクール 2022年
シンガポールのサマーキャンプ 2022年
イギリスのサマースクール 2022年